2017年2月以降に車検を受検する際、機関系および安全機能・装備に係る警告灯類が点灯または点滅している等の場合、車両に異常が生じている可能性があるとして、車検審査を行わない旨が独立行政法人「自動車技術総合機構」から発表されました。
審査時の車両状態確認のための要件
今回の「審査事務規定」第6次改正により下記の要件を満たしていない場合は、車検審査を受けられないことになりました。概要を引用します。
審査時における車両状態の明確化
異常等が生じている自動車については修理後に審査することを明確にするため、審 査時における車両状態として次の事項を規定するとともに、これに該当しない受検車 両については審査を行わないことを規定します。
・空車状態の自動車に運転者 1 名が乗車した状態であること。
・原動機の作動中において、異常状態を表示する警告灯が点灯又は点滅していない 状態であること。また、ブザー類が吹鳴していない状態であること。
・受検車両に装着しているタイヤは、応急用スペアタイヤでないこと。
簡単に言うと、積載物などがない状態で運転者1名が乗車し、エンジンを始動した際に指定された内容の警告灯が点灯・点滅していたり、何らかの警告ブザーが鳴っていた場合や応急タイヤを装着している場合には、車検を受けさせてもらえないという事ですね。
点灯・点滅していた場合に車検審査不可となる警告灯は下記の5種類になります。ただし、これ以外の警告灯でも、明らかに異常と思われる状態と判断されれば、審査不可となります。
・前方のエアバッグ
・側方のエアバッグ
・制動装置(ブレーキ関連)
・アンチロックブレーキ システム(ABS)
・原動機(車載式故障診断装置 (OBD システム)の装備 義務対象車を除く。)
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今回の改正の目的は?
ではなぜ、今回の改正は行われたのでしょうか?
「自動車技術総合機構」によると、上記の警告灯が点灯・点滅している場合は、エンジンやブレーキ等の安全性に関わる重要な故障を抱えた可能性も否定できないこと、また、昨今の安全に対する社会的機運の高まりを考慮し、厳密にチェックすることになったとのことです。
また、警告灯が消えないからと言って、警告灯が点かないように改造するなどは法令違反になる可能性もあると、注意を促しています。
警告灯が点いた場合には・・・
近年の車は、車全体がコンピュータシステムにより精密に管理されていて、機関系や安全装備系に異常があった際に様々な警告を発するようになっています。仮に警告が出ても空気圧やバッテリ系などの警告は正しい対処をすれば、だいたいの警告はその時点で消えますが、問題は機関系や重大な事故につながりかねない安全機能・装備系の警告です。
車両によっては簡単な対処をしたり、エンジンを再始動したりすれば消えるものもありますが、中にはディーラー等で専用のOBD(車両診断機)に接続してリセットしない限り消えない場合もあります。たとえ、その警告に係る箇所をきちんと修理や部品交換したとしてもです。
こういった傾向は特に最近の車両に見られ、また、個人で電装系をいじったりすると、当該箇所に関係ないような警告を誘発することもありますので、DIYされる際なども注意しましょう。何はともあれ、警告灯類が点いたりした際にはディーラーさんに診てもらうのが一番確実ですね。
今回の内容を詳しく知りたい方は、「自動車技術総合機構(NALTEC)」のサイトをご覧ください。
https://www.naltec.go.jp/
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。