前回に引き続き、美しい星空と愛車の写真撮影についての第2回です。今回は、車の撮影について中心に書いていきたいと思います。
車単体での撮影方法
それではまず暗い中での車の撮影について書いてみたいと思います。車単体を暗闇で撮るだけであれば、撮影モードオートや絞り優先モードで絞りを最も開放側(数字が小さい方)にした上で車にピントをしっかり合わせさえすれば、特に問題なく撮影できます。
上記の画像サンプルがそんな感じで撮ったものになります。ちなみにこの画像はLEDライトで車を若干照らして撮影しています。ちなみに真っ暗だと車になかなかピントが合わないかもしれませんが、そんな時はスマホのライト機能などを使うと僅かな光でもピント合わせができる場合があります。
そしてご覧の通り、車をある程度しっかり写すと星が全然写っていないのがお分かりですね。星の明るさはとても暗いので、車をメインにするとこういう感じになってしまいます。
車と星を一緒に写す際の問題点
ここまででお分かりいただいた星空と車の撮影で難しいところの一つは、シャッタースピードによる明るさの問題です。星を綺麗に写すと車が明るく写りすぎてしまったりします。逆に愛車を最適な明るさで写すと星空が写らなかったり。
しかし、問題はそれだけではありません。明るさ・シャッタースピード以上に厄介な問題がピントの問題です。前回お話ししたように星を綺麗に写すには最広角寄りの無限遠にして撮るわけですが、それだと比較的近い距離にある車にはピントが合わないという事になります。
星を綺麗に撮ると車にピントが合わずなんとなくぼやっとしてしまいますし、車を綺麗に撮ると逆に星がぼやっとしてしまいます。上の写真もまさにその典型で、スノークロスフィルターを装着はしていますが、どちらかというと星の方にピントが合って車はぼやけ気味です。
どうすれば愛車と星をうまく撮れる?
ではどうすればいいのでしょうか?
簡単で少しでも距離差によるピンボケを防ぐ一つ目の方法は、車をなるべく遠くから撮るということ。まあ当たり前ですよね。意図的にどうしても車に近寄りたければ仕方ありませんが、そうでなければ車を5m~10m離れた位置から撮る事により随分ピンボケは解消されます。
そして2つ目の方法は絞りを絞ること。基本的には絞りを開放側にすればするほど複数の被写体が距離差でぼける効果があります。ポートレート写真で女の子はくっきり、背景はソフトに大きくぼかすみたいなのが典型的な活用例ですが、絞りを絞る(数字を大きくする)ことによりピントが合う前後の距離が深くなるために、全体にピントが合うようになります。
スポンサーリンク
ただし、この方法の最大の問題は絞るとレンズに入る光量が減るので、絞り解放時と同じ明るさで星を撮るにはシャッターをより長い時間開けていなくてはならなくなります。したがって、カメラやレンズの性能によって画質やシャッタースピードに問題が出ない範囲で絞りを絞るということになります。
上記の写真はそんな感じで撮影したものです。なお、この写真ではテールランプが点いていますが、ヘッドライトやテールライトを点けっぱなしで撮るとライトがめちゃめちゃ明るく写って車のライト周りは完全に白飛びしてしまいます。
よって、この写真では40秒のシャッタースピードで撮影している間に、車に駆け寄ってヘッドライトスイッチを本当に一瞬、カチカチッとON/OFFしています。これで写る?っていうくらいの一瞬でこのようにちょうどいい具合になってしまいますよ。
しかもシャッタースピードが長いので、光をよく反射する白など明るい色の服でも着ていない限り、前を急いで横切るくらいであれば透明人間のように写真に写る事はありません。
さらにもっと綺麗に愛車と星空を撮るには?
ここまでで1回のシャッターでなるべく星空と愛車を同時に撮影する方法を書いてきましたが、やはりこの方法にはクオリティの限界があります。
先の写真とすぐ上の写真を比べていただくとそれなりに違いが分かるかと思いますが、すぐ上の写真は星も大きくはっきり写っているのに車もかなりくっきり写っているかと思います。ヘッドライトの造形も割とよく分かりますよね。
次回は、このような写真の撮り方・作り方をご紹介したいと思います。
美しい星空と愛車の写真撮影のすすめ【撮影の基本編】はこちらから
美しい星空と愛車の写真撮影のすすめ【応用撮影編】はこちらから
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。