中古車購入の際には皆さんも必ずチェックされるであろう「修復歴」。今回は混同されがちな「修復歴あり」「事故車」「修理歴あり」ということについて簡単に説明したいと思います。
「修復歴」「事故車」「修理歴」の違いは?
中古車購入の際には皆さんも必ずチェックされるであろう「修復歴」。でも、世間でよく言われる「事故車」とは何が違うのか、「修理歴」とはどういうことなのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は混同されがちな「修復歴あり」「事故車」「修理歴あり」ということについて簡単に説明したいと思いますが、今後複数回にわたって「失敗しないための中古車選びの基礎知識」としてご紹介していきたいと思いますので、中古車購入初心者の方にはぜひ参考にしていただければと思います。
「修復歴」「事故車」「修理歴」の範囲定義
それではざっくりとした「事故車」「修理歴車」「修復歴車」の定義と違いについてです。まず、一番大きなくくりとして事故により程度の大小を問わず損傷を負った車全般を指します。ですので、その損傷に対して修理・修復は問いません。なお、上で言う「事故」とは交通事故、自損事故、災害などによるものなど、偶発的に発生したもの全てを指します。
続いて修理歴車ですが、こちらは上記の事故車に対して修理・修復を行った車を指します。そして、修復歴車は修理歴車の中でも特に骨格部位を修理・修復した車を指し、この骨格部位の定義は(社)自動車公正取引委員会、(財)日本自動車査定協会、日本中古自動車販売商工組合連合会が共通で定めています。
修復すると修復歴となる骨格部位
修理・修復を行うと修復歴車となる骨格部位が上図の8個所です。(2020年8月現在)
なお、以前は含まれていた「ラジエーターコアサポート」は2016年4月より対象外となっています。
①フレーム(サイドメンバー)
②クロスメンバー
③インサイドパネル
④ピラー
⑤ダッシュパネル
⑥ルーフパネル
⑦フロア
⑧トランクフロア
世間では言葉的に「修復歴車=事故車」みたいなイメージを持っている方も多いかと思いますが、上記の個所に損傷を負い、それを修理・修復した場合が「修復歴車」となります。また、その損傷が交通事故によるものでも災害によるものでも関係ありません。災害によるものの例としては、ひょう害や積雪で車の屋根が凹んで交換などがあります。
もらい事故による減価額証明
さて、ここまでは自動車を購入する側として修復歴の定義について書いてきましたが、自身がもらい事故の被害を被ってしまった車を売却する際の豆知識についてもお伝えしたいと思います。
自分が悪くない追突などで愛車が修復歴車となってしまった場合、修理代はもちろん負担してもらって当然なのですが、その車を売却する際も修復歴車となってしまう事によって買取・下取価格が通常は下がってしまいます。しかし、通常はそういった分まで保証されないのが現実です。それでは納得いかないですよね。
そんな時には上図のような「事故減価額証明書」というものを(財)日本自動車査定協会に発行依頼することにより、この車はこの修復によりこれだけ価値が下がってしまいましたよ、というのを客観的に査定してもらえます。
これを発行することにより全ての原価分が補償がされるとは限りませんが、こういった第三者機関の証明書を出すことによって何も根拠がないよりは補償を求めやすくなるそうです。ただ、この証明書の発行には1万円程度の費用も発生するので、そういった点も踏まえて判断をされるといいかと思います。
以上、今回は「修復歴車」「修理歴車」「事故車」についてお伝えしました。中古車選び、そして中古車売却の際に少しでも参考になれば幸いです。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。