車好きや私のような40歳~50歳代のスーパーカーブームを体験した世代の多くが憧れるフェラーリやランボルギーニを筆頭とするスーパーカー。いつかは所有したい!と願うものの、結果的にそれを叶える事ができるのはごくわずかな人間のみ。
そんなスーパーカーですが、どんな車がスーパーカーと呼ばれるのだろうか?と改めて考えてみると、明確に答えられる方はあまりいないのではないでしょうか。デザイン、走行性能、価格、はたまたブランド?
私も誰にでも納得できるスーパーカーの定義は答えられないな、と思ったので、改めて昨今のスーパーカーと考えられる車やそれに近いと思われる車を例にあげながら、スーパーカーの定義を考えてみました。
基本と思われるスーパーカーの定義
困った時にはGoogleやWiki、ということで「スーパーカーの定義」調べてみたのですが、微妙に曖昧な記述が多いので、もっとざっくりと辞書で「スーパーカー」を調べてみました。大辞泉によるとスーパーカーとは、「性能・美しさ・装備のよさ、価格などで並の自動車を超えた車。スポーツカーの中でも特に大型、強力で、手作りに近いもの。」となっていました。
確かに上記条件を全て満たしていれば、少なくとも一般人からはスーパーカーと認められると思います。しかし、それぞれの項目において客観的な数値指標がないのが難しいところ。では、実際の車種をあげながら、スーパーカーの定義について具体的に考えてみましょう。
スーパーカーと呼ばれるための諸条件について
上記、辞書での定義にもあるように、性能・スタイル(装備も含む)・価格という点が一般的な車を圧倒しているということに異論のある方はいないと思います。ただ、これだけではスーパーカーと呼ぶ条件としては不足かと思われます。不足しているものの1つとして大きなのは「ブランド力」。これもスーパーカーがスーパーカーであるための不可欠な要素ではないでしょうか。
大変失礼な例えで当該メーカーのオーナーさんには申し訳ないのですが、仮にダイ○ツやス○キが2,000万円のスーパーカーを発売します!となった時に、性能・スタイル・価格がスーパーでもどれだけの人が「スーパーカー」として認めるでしょうか。認められない理由としては、おそらく圧倒的なスーパーカーとしてのブランド力不足ではないでしょうか。
こういった事を踏まえると、スーパーカーと呼ばれるには「性能」「スタイル」「価格」「ブランド力」の4大要素が必須だと考えます。
スーパーカーとしての要素の中で最も大事なものは?
ここで、参考として現在フェラーリなどのスーパーカーのオーナーさんたちに聞いたアンケート結果をご紹介してみたいと思います。これは、モータージャーナリストで過去に10台のフェラーリを乗り継いだ清水草一先生と庶民の為の中古フェラーリディーラー「コーナーストーンズ」さんが毎年主催しているフェラーリミーティングの事前アンケートの結果です。
「加速」「デザイン」「サウンド」「ハンドリング」「ブランド」の5つのうち重視する項目の1番と2番を聞き、1位2ポイント、2位1ポイントで集計したものです。サンプル数は40人分。その結果は以下の通りでした。
1位:デザイン・・・49ポイント
2位:サウンド・・・23ポイント
3位:ブランド・・・20ポイント
4位:ハンドリング・・・19ポイント
5位:加速・・・4ポイント
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いかがでしょうか、皆さんの思うイメージとは一緒でしたでしょうか。個人的には、2項目なら加速(走行性能)とデザインなのですが、今回のオーナーさんたちはデザインが一番だそうです。なお、サウンドは2位に入っていますが、後からある程度どうにかできる部分なので、スーパーカー定義の必須要素からは、今回は除外したいと思います。
スーパーなのにスーパーカーと呼ばれない車たち
ではここで、上記4要素のうちの2つ以上は満たしているにも関わらず、一般的にはスーパーカーと認知されない車について考えてみたいと思います。
皆さんも含め恐らく真っ先にあがるのが、国産では日産GT-Rではないでしょうか。性能は文句なしに世界最強レベルであるにもかかわらず、日産自身もスーパーカーではなくハイパフォーマンスカーという公式見解を示しています。
では、GT-Rに何が不足しているのか。それは、デザインとブランド力だと思われます。決してデザインも悪くはないと思うのですが、イタリア車のような情熱や官能を感じることができません。ただただ高性能なマシーンといった印象です。そういう点ではテスラも億単位の価格のスーパーカーにも加速では負けないという点で、近いポジションかもしれませんね。
続いて、随分毛色が違うのですが、光岡のオロチ。価格と、ある意味常軌を逸しているスタイルは、スーパーと言えるかと思います。ただし、エンジンはトヨタの乗用車に使用されている凡庸なエンジン、またブランド力も弱いため、こちらもスーパーカーとは言えないでしょう。メーカーも「スーパーファッションカー」と言っているようです。
そして、非常に微妙なのがアウディR8やポルシェ。R8は普通に考えればスーパーカーの類なのですが、例えばスーパーカーイベントなどに行くと、完全にイタリアンスーパーカーの陰に隠れて存在感が薄いと言わざるを得ない状態です。
実際、イベント等でR8が「すげぇー!」と注目を浴びている状態を見たことがありません。単体ではほぼ間違いなくスーパーカーなのですし、ガヤルドと同じエンジンの兄弟車にも関わらず、ランボやフェラーリと比べると、スーパーカーとしての価値が弱いということでしょうね。
ポルシェも一流のスポーツカーでありながら、2000万オーバー等のモデルがスーパーカーかといわれると、微妙と言わざるをえません。カレラGTなどの価格がつきぬけたモデルはともかく、廉価モデルとのスタイル・デザインの差が乏しいのが原因かもしれませんね。
理想のスーパーカー像とは?
以上を踏まえて考えると、個人的にスーパーカーというのは、「性能」「スタイル」「価格」「ブランド力」を持ち合わせ、全てにおいて非日常的かつ非現実的、そして圧倒的な存在感をもって普通の人々に憧れを抱かせる車なのかな、と思います。ちなみに普通の人々と書いた理由は、本当のお金持ちにはスーパーカーも普通に帰る車で憧れの対象ではないと思うからです。
皆さんにとってのスーパーカーはどんな車ですか?
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。