ヨーロッパ諸国が示した将来的なEV(電気自動車)への転換方針をはじめ、最近何かと話題のEV。そして、そのEVの中でも一際注目されている米テスラ社。
今回は、日本国内で販売されているモデルの中で最新のSUVタイプのEV「モデルX」に試乗させていただいてきました。テスラの最新EVはあまりにもトピックスが多すぎてその全てをお伝えするのは難しいですが、可能な限り「モデルX」の魅力をお伝えできればと思います。
内燃機関では味わえない異次元の加速
それではいよいよ実際に運転しての感想です。テスラ車の大きな特徴として挙げられるものの1つが、やはりパフォーマンスです。EV車が動力として使用するモーターの特性として、最初から最大出力を発生できるという点がありますが、テスラのそれはとにかくハイパワー。
試乗させていただいた「モデルX」もそれにもれずハイパフォーマンスで、ゼロ発進から40~60km/hの法定速度に達するまで体感的にはものの2秒というところでしょうか。この異次元の加速に慣れていない方は、恐らく恐怖を感じるくらいの加速度かと思います。
実際、モデルSのハイパフォーマンスグレード「P100D」の0-100km/h加速はなんと2.7秒!(メーカー発表値、隠しコマンド使用では2.4秒を実現)これは、ランボルギーニ社の上位モデル「アヴェンタドール」と同等の数値というとてつもない速さです。これに勝つには、数億円のスーパーカーでも持ってこなければなりませんね。
ハンドリングや静粛性
ハンドリングはとても素直で扱いやすい印象です。全長約5m、全幅約2mという日本車にはそうそうない大きなボディサイズですが、実際に運転しているとそれほどの大きさは感じません。
センターディスプレイには常に大きな面積でリアカメラの映像も映し出されていますし、ステアリング横にも小さい画面ながら、サイドカメラの映像も映し出されているので、ミラーにおける死角に対しても随分安心感があります。
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静粛性に関しては、内燃機関のようなエンジン音が無くほぼ無音に近いため、むしろ外の雑音などが聞こえやすくなるはずですが、こちらも高いレベルの静粛性を実現しています。
タイヤサイズが20インチ以上の上にそれほどソフトでない足周りの為、路面からのゴツゴツ感やロードノイズはそれなりに伝わってくるものの、広い車内での会話を明瞭ですし、カーオーディオからの音も非常に鮮明に聞き取ることができます。
日本ではプレミアムブランドとして認知されているBMW等も、実際足周りは結構硬いのですが不快な感覚はまでいかないスポーティーさというものを実現しています。テスラもそれに近いフィーリングと感じました。
完全字度運転を謳うオートパイロット機能
私もとても気になっていた「オートパイロット」機能。国産メーカーも自動運転を訴求するモデルも出てきましたが、テスラはそれ以前より自動運転機能を段階的にアップデータしつつ実現してきています。
しかし、法整備や万が一の時の責任所在を含め、実用化に際してセンシティブな側面を持つ自動運転機能。他メーカーはそういった点からもあまりはっきりと自動運転と表現するのを避ける雰囲気の中、テスラはいち早く「完全自動運転」を謳い市場投入をしました。
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今回、初めてそれを体験できましたが、技術の進歩はすごいの一言です。まだ、交差点を曲がるような減速または停止を伴っての完全な右左折はできませんが、斜線分離の白線さえしっかり表示されている緩やかなカーブであれば、スムーズにハンドル修正をしながら走行してしまいます。
原則、ハンドルに手を添えることが明言されており、カーブのRがきつくなると警告音とともにハンドル操作をするような指示が出たりはするものの、ここ数年でこのレベルまで市販車で実現したのは驚きという他ありません。
気になる点は?
ここまで、テスラの最新モデルのすごさをあげましたが、気になる点も少々。これはテスラにかかわらずEV全般に関してなのですが、一番気になるのは今後EVがどんどん普及していった際のインフラについて。
ガソリンスタンドのように燃料切れの際に数分程度の給油時間でまた走行できるのであればいいのですが、EVの場合は急速充電でも30分前後の充電時間を要してしまいます。
したがって、そのあたりのインフラが今後どの程度充実していくかが日本国内のEV普及に大きく影響してくることが想像できます。テスラとしてもどんどん充電設備を全国設置している最中のようですが、果たしてどれくらいのペースで充電設備を充実させていけるのか気になるところです。
他ディーラーも見習ってほしいストアの対応
最後に車両以外の点で感じたことも書かせていただきます。今回、試乗をさせていただいた名古屋のテスラストアですが、非常にフレンドリーで丁寧な対応をしていただきました。
まだまだ大手メーカーの知名度には及ばず売出し中のテスラですので、大手メーカーと立ち位置が違うのは当然ですが、それでもスタッフの方々の自社製品への愛情や広く世間に知ってもらいたいという想いを感じた気がします。
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車なんて一般的には私のように頻繁に買い替えるものではないですが、来店客は少なからず興味があるからディーラーに出向いているわけです。高額商品である以上、簡単には購入にも至らないでしょう。でも、そのディーラーの従業員や製品に好感を持てば将来の顧客となる可能性は飛躍的に高くなります。
最近の自動車ディーラーでは、接客業や下手をすると車そのものが好きでない、買いそうかお金を持っていそうかで態度を変えるなど、なぜ車に関する仕事に就いているのか分からないようなセールスマンが多々見受けられるのですが、そういったディーラーさんは、「顧客は自分たちがつくり上げる」という観点で今回のテスラストアさんのような接客を心がけてほしいものです。
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車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。