今回の試乗・インプレッションはトヨタの「ハリアー GRスポーツ」。昨年2017年の6月に発売となったモデルです。ハリアーと言えば、SUV人気の火付け役となったモデルとも言えるのではないでしょうか。
そして、現在も車に興味のない若者も多くなっている中で、相変わらずの根強い人気を誇り、自分の周りでもハリアーに憧れる若者は少なくないと感じます。さて、そんなハリアー、どのような車なのでしょうか。
ハリアー GRスポーツとは?
試乗したのは、2013年にフルモデルチェンジした3代目ハリアーの「GRスポーツ」モデル。エンジンには2.0Lと2.0Lターボの2種類あるのですが、今回の試乗車はノンターボの2.0Lエンジンを搭載したモデルとなります。
「トヨタ GAZOO Racing」が手掛けたこのGRスポーツというモデルは、エクステリアやインテリア、そしてスポーティーさを求めたチューニングなどが施されており、ノーマルモデルと比べるとその外観の迫力からも一目で何かが違う印象を受けます。
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具体的にあげると、主要装備だけでも以下のような専用パーツが装着されています。
【エクステリア】
専用グリル、専用フロント/リアバンパー、専用ドアガーニッシュ、専用大径マフラー、専用GRエンブレム、専用ホイール、他
【チューニングパーツ】
専用合成アップパーツ、スポット溶接打点追加、専用チューニングサスペンション、他
【インテリア】
専用小径革巻きステアリング、専用メーター、専用スポーティーシート、アルミペダル、他
エクステリア・インテリアは上質感漂う仕上がり
上記のような専用装備満載の「ハリアーGRスポーツ」ですが、それらパーツにより上質な特別感が演出されています。外観は押し出し感の強いフロントバンパーやディフューザー形状のリアバンパー、そしてGRロゴ印刷がされたホワイト塗装のブレーキキャリパーによってかなりスポーティーさを感じる仕上がり。
またインテリアも専用スポーティーシート(スウェード調ファブリック+合皮)がとても目立つので、ドアを開けて中を見るとまずはシートで「おっ!」と特別感を感じさせます。またこのシートが自分の体形にぴったりで、しっとりと包み込まれるような感覚でとてもよかったです。
車内はレザー調とカーボン調で統一されシンプルかつ上品な感じでまとめられています。合皮の個所にはステッチやハリアーロゴのエンボスなどが施されており、それらも高級感を感じさせる要因となっています。
ただ、フロントグリルのエンブレムはなぜトヨタロゴになってしまったんでしょうか。通常モデルと同じハリアーエンブレムの方が絶対カッコいいと思うんですが・・・。
物足りないエンジンパワー
では、いよいよ公道試乗です。乗り出してみてまず最初に感じたのがパワー不足。今回のモデルは2Lのノンターボで最高出力と最大トルクが150ps/19.7kgf・mと、実際それほどパワーがないのですが、ミッションがCVTというのも相まって、アクセルレスポンスに関しては車格に対してかなり物足りなさを感じました。
一応、ecoモードとパワーモードというのもあって、パワーモードにするとアクセル開度が同じでもエンジン回転数を高く保つような制御が入るのですが、エンジン回転や音は盛り上がっても、実速度がついてこないというCVT特有のダルさが顕著です。
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ちなみにecoモードも試しましたが、正直こんなの使う人いるの?っていうほどパワーが抑えられており、スポーツ系の車ばかり乗っている自分には嫌がらせかと思うほどのかったるさでした・・・。
とりあえず、見た目とか装備に満足できて走ればいいという人以外は、GRスポーツモデルを買うならターボモデルを買うべきかと思います。231ps/35.7kgf・mとエンジン性能が全く違いますので。
ハンドリングや乗り心地
続いてハンドリングや乗り心地についてですが、静粛性や乗り心地に関しては文句なしかと思います。静粛性も十分ですし、シートは先にも書いたとおり、適度な包まれ感と感触で少なくとも短距離の平たん路では快適です。
ロールやピッチに関しても適度な量でスポーティーさを感じさせます。ロールに関しては、重心の高さも感じさせずしっかりした踏ん張り感があります。またピッチングもちょっと急制動を試しましたが、すっと収まり車体が大きく動く感じもありませんでした。
ただ、唯一気になったのはメーカーとしてはスポーティーで回頭性アップをしたと謳っている「専用チューニング電動パワーステアリング」。小径のためもあってかステアリングが比較的重いのですが、それに対して車の動きが付いてこない感覚に違和感を感じてしまいました。
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普通、ハンドルが重くなるのは、タイヤの幅が大きくなって路面との接地面積が増えたり、摩擦抵抗が増えた時かと思うのですが、このハリアーは大したタイヤ幅でも無く、普通に曲がれるようなカーブなのに、妙にステアリングが重い。
タイヤやステアリングから伝わってくるロードインフォメーション的にはもっと簡単に曲がる感触なのに、ステアリングの手応えがそれに比例というかリンクしてないんです。これもひょっとしたら、ターボモデルだと違うのかもしれませんが・・・。
総評
以上、今回は「ハリアー GRスポーツ」の2Lノンターボモデルに試乗してみましたが、予算的に許すならば、せっかくカッコもよくなって高級感もあるGRモデルなので、ぜひターボモデルの方にいきたいなと思いました。
2Lモデルはこんな事を言うと申し訳ないのですが、予算的に難しいけど、見た目とかの面でどうしてもGRスポーツに乗りたいという方向けの「妥協グレード」という感が拭えません。ただ、走行性能を気にせずのんびり乗るという方にはステアリングの重さ以外、特に問題ないかと思います。
ターボモデルに試乗していないので、なんとも言えませんが、カタログの説明等を見る限りでもどうもターボモデルを基準にチューニングをしている節があるので、GRとしては恐らくターボモデルが本命というところでしょう。
以上、「トヨタ ハリアー GRスポーツ」の試乗・インプレッションを書きましたが、あわせてYouTubeの試乗動画やフォトギャラリーもご覧くださいね。
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「トヨタ ハリアー GRスポーツ」試乗動画
「トヨタ ハリアー GRスポーツ」フォトギャラリー
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。