2017年3月にCerevo社から発表された「うごく、しゃべる、並列化する。 1/8タチコマ」という商品を皆さんご存知でしょうか。「タチコマ」というのは多くの方がご存知の人気マンガ・アニメである「攻殻機動隊」のOVA「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」に登場する「多脚戦車・思考戦車」と呼ばれる兵器で、人気キャラクターの1つです。
作品中で、この「タチコマ」は高度な人工知能を備えているのですが、画一的な機械であるはずなのに、物語が進むにつれて複数台いるそれぞれの「タチコマ」が人の心のようなものや個性を獲得していきます。そんな「タチコマ」を再現したのが、この「うごく、しゃべる、並列化する。 1/8タチコマ」というわけです。
Cerevo社は、「既存の製品ジャンルや使い方などの常識にとらわれず、誰もがあっというような革新的な商品を提供し続けてゆくことを目指す」というコンセプトのもと、面白い商品を発売し続けているのですが、今回、この「1/8タチコマ」を見て、思った事を書いてみたいと思います。
タチコマに見る、自動車の未来
アニメの作中、そしてこの1/8モデルでも再現されている「タチコマ」の最も大きな特徴が人工知能かと思います。人間のように考え、喋り、学習していく。そんな所がキャラクターとして大人気となった理由ではないでしょうか。
アニメ作品のラストでは、人の心を獲得したかのようなタチコマの自己犠牲の行動が描かれ、涙なくしては観られません。また、複数台いるタチコマのうちの1台が何か新しい経験を得た際には「並列化」と呼ばれる、今でいうクラウドによる情報共有がなされ、全タチコマが等しく自身の経験として獲得します。
少々前置きが長くなってしまいましたが、こういったタチコマの機能・動作を見た時に思ったことが「あー、今の自動車が向かっている未来はこういう事だろうなぁ」と思ったわけです。
自動車の未来は具体的にどうなる?
私がタチコマに見た自動車の未来というのを具体的に書いてみたいと思います。まず一番は、自律的かつ正確な人工知能による判断です。既に自動ブレーキやヘッドライトのハイ・ロー自動切り替えなど、コンピュータプログラムによる自動制御は実現していますが、まだまだ動作判断が完璧でなかったり、動作範囲が限定的だったりします。
現在もBOSCHなど各社によって、人工知能の研究は進められているわけですが、こういった人工知能技術が向上していくことによりアニメの中のタチコマのような人間的でスムーズな認知・判断ができるようになっていくのでしょう。
そして、タチコマで言う「並列化」。これも人工知能の進歩と共に必須になっていくかと思います。特定の車両・ドライバーが「ヒヤりハッと」体験や事故体験をしたとします。そうした体験が起きた場所、起きた状況などを自動車の人工知能が「並列化」をすれば、当該場所に近付いた際や危険と思われる物体や生物を発見した際に警告を発するなど、事故を未然に防ぐ手助けになると思います。
また、懐かしのアメリカのテレビドラマ「ナイトライダー」のK.I.T.T.もそうでしたが、人間のように話相手になってくれ、しかもその時のニュースなどを教えてくれたりしたら、漫然運転や居眠りの防止にもなるのかな、と思います。
まだまだ、法整備やインフラ整備など、単に機械的・技術的な進歩だけでは実現が難しい自動車の自動化・自律化ですが、タチコマが未来の自動車の一つの完成形に近いのは間違いないのではないでしょうか。
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車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。