最近は、LEDを採用したヘッドライトが非常に多くなってきていますが、ヘッドライトのLED化によるメリットとはどんな点でしょうか。また、従来のキセノン、ハロゲンとは何が違うのでしょうか。今回は、そんなヘッドライトの種類による違いなどを再確認してみたいと思います。
ヘッドライトの種類
車のヘッドライトには、主に「ハロゲン」「HID、キセノン、ディスチャージ」「LED」という3種類のものが採用されています。現在は「ハロゲン」のタイプが徐々に減少し、「HID、キセノン、ディスチャージ」タイプが多くなってきていると思いますが、「LED」タイプの採用も比較的高価な車種を中心にどんどん増えています。
では、それぞれどういう仕組みで発光しているのでしょうか。それぞれのタイプの仕組みとメリット・デメリットを以下、簡単にまとめてみたいと思います。
ハロゲンヘッドライト
基本的にいわゆる「白熱電球」と同じ仕組みで、電球内部の電極間にあるフィラメントに通電させることで発光します。ただし、普通の白熱電球と違い、窒素やアルゴン等の不活性ガスの他にハロゲンガスを電球内部に微量入れることにより、通常の白熱電球よりも高い光量を発生させます。
【メリット】
他のタイプと比べて最大のメリットは安価であること、そして交換作業などが容易であることが挙げられるかと思います。また、他のタイプと違って発熱があるため、雪等がヘッドライトを覆った際にも熱で溶かしてくれる効果がある事です。
【デメリット】
キセノン、LEDと比べると光量という点でどうしても劣ってしまいます。
HID、キセノン、ディスチャージヘッドライト
HID、キセノン、ディスチャージなどと呼ばれるタイプのヘッドライトは、キセノンガスや水銀、ヨウ化金属などを封入したバルブ内の電極間の放電の放電により発光します。
これによりハロゲンなどの白熱バルブに比べてはるかに明るい光量を発生する上に、低消費電力、低発熱も実現します。白熱バルブのようにフィラメントも使わないため、同時に長寿命でもあります。一般的に車検対応するには、色温度は6000K(白色)までとされています。
【メリット】
3種類の中で最も明るいのが最大の利点です。また、基本的に白色のため、照らされた対象物が視覚的に自然な色合いで見えるもの利点かもしれません。
【デメリット】
ハロゲンに比べて装置自体が高コストになってしまう事、そして放電灯の特性上、点灯直後は暗く安定しない上に最大光量を発生するまで数秒から数十秒の時間が必要な事が挙げられます。また、放射線状に前方を照らすために対向車には眩しすぎるケースも見受けられます。
最近はフォグ(アクセサリランプ)と合わせて全点灯しているオラオラ系ミニバンなどがよく見られますが、クソ眩しくて本当に迷惑だと思っている方も多いのではないでしょうか。
LEDヘッドライト
LEDは「light emitting diode」の略称で、発光ダイオードの一種を指します。LEDは、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子で、それを用いたものがLEDヘッドライトとなります。光量という点ではキセノンタイプに劣りますが、部品が小さいため複数のLEDで集積度を上げる事も容易なため下記のようなメリットもあります。
【メリット】
キセノンのようなバラスト(安定器)など必要とせず、LED部品単体が小さいため、デザイン性・省スペース性に優れたヘッドライトデザインが可能になります。また、電圧をかけると同時に最大光量を発生させることができるため、細かな制御も可能です。高寿命である事もLEDの大きなメリットです。
【デメリット】
他のバルブタイプと違い、故障などの際にLED一個単位の交換ができず、ヘッドライト丸ごとやアッセンブリ交換になる事が多いため、修理の際に非常に高コストになる可能性が高くなります。
また、キセノンタイプ同様に発熱をしないので、ヘッドライトに張り付いた雪などを溶かす事ができません。したがって、ヘッドライトウォッシャーが同時に装備されるケースも多くなります。
他にデメリットという訳ではないかもしれませんが、LEDは常時点灯では無く高速の点滅を繰り返しています。ビデオなどでLEDのヘッドライトや信号機を撮影すると点滅して見えるのはそのためです。
ヘッドライトの特性を理解した上で選択を
種類・仕組みによってメリット・デメリットも様々なヘッドライト。どの特性を重視するかは人それぞれかと思いますので、現状ではどのタイプがベストとは言えません。ハロゲンの色味が好きという方もいると思いますし、とにかく明るさ重視でキセノン、デザインのカッコよさや機能性でLEDがいいという方もいるかと思います。
それぞれのタイプの特性とご自分の環境や好みを照らし合わせて、愛車のヘッドライトは選択するのが良さそうですね。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。