恐らく高速道路を利用する際には必ずお世話になるサービスエリアやパーキングエリア。昔は、PA(パーキングエリア)というとSA(サービスエリア)よりも規模が小さいとという考え方でよかった気がしますが、最近はサービスエリアとパーキングエリアの定義がよく分からなくなっている気がします。
果たして、SAとPAの名称には明確な定義付けはあるのでしょうか?
元々のSAとPAの定義
とりあえず、最初に考えられていた定義はSAは人と車が必要とするサービスを提供することが可能な休憩施設、PAはドライバーの疲れをとるための休憩施設ということだったようです。
ちなみにSAのサービスとは、トイレや休憩所、売店、レストラン、ガソリンスタンド等を想定していたようです。それに対し、PAは最低限の休憩ができる施設、トイレや自動販売機など最低限のものがあればいいというレベルのようですね。
ただ、これらも明確な定義は無く、利用者の多少や状況に応じてSAなのにガソリンスタンドが無い、PAなのにガソリンスタンドや立派な売店があったりということもあります。
さらに定義を曖昧にした民営化
そして、もともと明確な定義付けが無かったSA・PAの線引きですが、2005年に日本道路公団が民営化されたことによって、よりSA・PAの線引きは曖昧になり、利益追求の何でもありの状態になりました。
もはや「PAはトイレや自販機しかない」、「SAはガソリンスタンドやレストランがある」という従来のイメージなどまったく通用せず、三芳パーキングエリアのようなパーキングエリアと名が付きながらもそこいらのショッピングモールにも引けを取らないような営業形態の「PASAR(パサール)」や高速道路外からも出入りできる娯楽施設も備えた刈谷を代表とする「ハイウェイオアシス」などが次々に完成しています。
もはやSA・PAの名称に意味は無い
そして、この民営化による利益追求姿勢により、現在は各地でどんどんSA・PAのリニューアルが推進されています。それにより、公団時代のPAはだいたい15km間隔に一つ、SAは50km間隔に一つという目安も全く意味をなさなくなっています。
また、小さかったPAが巨大化するケースが多くなったため、SA建設の感覚の目安であった50km圏内に複数の巨大SA・PAが存在し、競合も引き起こしています。こうなると大変なのはその中にあるテナントさん。
エクシスやネクスコは超巨大インフラを持っている強みを盾に「嫌なら出ていけ」という殿様商売できますが、テナントは想像もしてなかった巨大SA・PAが近隣にできて競争激化を強いられるというお気の毒な形です。
ちなみにSA・PAが新規建設されるような場合は、名称をSAとPAどちらかにするか立地状況などを考慮して決定されるそうですが、従来施設に関してはショボいPAが超大型施設に変更されてもSA・PAの名称変更は行われないそうです。
そんなわけで、今となってはサービスエリアとパーキングエリアの呼称には何の意味も無く、紛らわしいだけのものと言えそうです。いっそのこと名称統一して欲しいものですね。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。