2003年にアメリカのEVベンチャーとして設立された「テスラモーターズ」。そのテスラが販売しているEVセダン「モデルS」が0-100km加速において、最高出力1200psのエンジンを搭載しているスーパーカー「ブガッティ ヴェイロン」をも凌ぐ記録を出したそうです。
※社名の「テスラモーターズ」は、今後「テスラ」に変更
テスラ モデルSってどんな車?
photo credit: Jack Snell - Thanks for over 26 Million Views 2012 Tesla Model S via photopin (license)
「テスラ モデル」は米テスラモーターズが発売した市販車の第2弾で、大型セダンタイプのEV(電気自動車)です。定員は5名(トランクスペースにチャイルドシート2席設置可能)で、バッテリ容量と2WD/AWDの差によるグレードが計7種類設定されます。
テスラの車両は全てEVとなるのですが、それ以外の特徴としてまず挙げられるのが高いパフォーマンスです。世間で一般的な乗用車であれば、0-100kmの加速はそこそこ早い車でも6~7秒というところですが、テスラは最上位グレードの「P100D」でなんと2.7秒!(メーカー発表値)
これは、ランボルギーニ社の上位モデル「アヴェンタドール」と同等の数値というとてつもない速さです。フェラーリの最新モデルあたりでも、このモデルSの加速には敵わず、これに勝つには、フェラーリだと新車時価格時で2億円近かった「ラ・フェラーリ」(現在、中古車で3億円以上)でも持ってこなければなりません。1000万円強のEVでこの性能、技術の進歩恐るべしです。
また、テスラのモデルは満充電時における最大航続距離が長いのも特徴です。大きな容量のバッテリを搭載しているため、某国産EVあたりと比較しても2~3倍の航続距離を誇ります。バッテリ切れになると充電時間がかかるという弱点はありますが、満充電状態であれば一般的なガソリン車と同等以上の距離を充電なしで走れるというのは実用的ですね。
他に一般的な内燃機関の車にはない驚くべき機能として、プログラムのアップデートによる機能強化が可能なことが挙げられます。電子制御のモーターだけに、プログラム1つで自動運転の機能をアップデートしたり、性能をアップしたり。実は、今回0-100km加速記録を更新したのも、アップデートで後から追加された走行モード「Ludicrous Plus(ラディキュラス プラス)」モードによるものなのです。
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最速の「ラディキュラス プラス」モード!
このモードの設定は、センターコンソールに取り付けられている大型液晶モニタから行います。このあたりも現在の市販車ではテスラならではという感じですね。まるで、ゲームの裏コマンド入力みたいな感じです。
そして、その「ラディキュラス プラス」モードを設定しての、ドラッグレースの様子をおさめたのがこちらの動画。ちょっと尺が長いですが、ローンチモードのON/OFFなど、いくつかのモードを使いながら、ドラッグレースマシンと競争しています。
最終的に出た記録は、なんと0-100km 2.389秒!
これは、加速性能で常にトップクラスの記録を誇っているブガッティ ヴェイロンをも凌ぐ記録です。先程も書いた、軽く億越え価格のスーパーカー「ラ・フェラーリ」やブガッティ社の最新モデル「シロン」と同等でもあります。こんな加速性能は、凡人にはもう想像すらできませんね。
ただし、EVが速いのは現状では停止からの短距離加速に限ります。ガソリンエンジン等は、どうしても停止状態から最大出力を発揮するエンジン回転数に達するまでに時間がかかります。それに対して、モーターは電圧さえかければ、瞬間的にいきなり最大パワーを発生することができるのです。なので、動画でも0-400mの結果ではテスラが負けていますよね。
ちなみに、私はテスラ社の市販車第1号である「テスラ ロードスター」を1日お借りしてフル加速も体験したことがありますが、0-100km 3.7秒のロードスターでも異次元の加速にマジでビビりました(笑)
現在、海外の大手自動車メーカーのスポーツカーやスーパーカーにも押し寄せているEV化の波。これからどんなEVスーパーカーが出てくるのか楽しみですね。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。