先の記事にも書きましたが、先日ついに念願の「BMW GROUP Tokyo Bay」に行き「i8クーペ」に試乗することができましたので、その感想をお伝えしたいと思います。
BMW iブランドの頂点「i8」
BMWの次世代モビリティとして位置づけられている「BMW i」。現状では「i3」と「i8」の2車種のみの販売となっていますが、今回はコンパクトカー並の燃費性能と低排出ガスを実現する新世代ハイブリッドスポーツカーである「i8」に試乗させてもらいました。
「i3」は100%モーター駆動(レンジエクステンダー装備車もあり)のEV(電気自動車)になりますが、「i8」は1500ccのガソリンエンジン+モーターで駆動するプラグインハイブリッドカーとなります。
そして、「i8」は"8"のナンバーを関するところからもお分かりの通りBMWの製品群の頂点に位置すると言え、価格そして市販車離れしたデザインを備え現在のBMWブランドの中で唯一のスーパーカー的な存在感を示しています。
他と一線を画すデザイン
現在、i8にはクーペとロードスターの2つのモデルがありますが、今回試乗したのはクーペモデル。そして、そのデザインはエクステリア・インテリアともに他の車とは違うぞ、と圧倒的な存在感を放ちます。
低い全高とワイドなボディ、そしてなんといっても最大の特徴であるバタフライ式のドアはスーパーカーと呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
そして、それはエクステリアのみならずインテリアも同様です。当然広くはない室内空間ではありますが、適度な包まれ感やシートデザインはスポーツカーであることを感じさせるものです。また、メーター周りやコンソールは他のBMW製品とは違うテイストでむしろシンプルなものとなっています。
外見に反する走行フィーリング
そんな、見るからに「どうだ!」と言わんばかりの自己主張をする「i8」、乗降の際には太く幅のあるサイドシルが日常での使い勝手においてネガに感じられますし、乗る前にはスーパーカーに乗るという緊張感もありましたが、実際に運転してみるとそれとは随分違う印象でした。
恐らくフェラーリやランボをはじめとするスーパーカーというものは、基本的に使い勝手や実用性などは無視、ひたすら官能性に重点を置くようなものになりますので、結果、楽に乗るということは難しいといってよいでしょう。
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スーパースポーツというものはいろんな意味で緊張感が常に付きまとうと思いますし、運転するだけでまさにスポーツするような、疲労も少なからず付きまとうかと思います。
しかし、i8に関してはそういった気難しさ、車に乗せられているというような感覚が非常に少ないのです。もちろん、小市民には「ぶつけたら修理額が」とかそういった緊張感は伴いますが、運転そのものに関しては普通の車に近いと言えます。
運転しやすい理由
それはおそらく1500ccという小排気量エンジン+モーターというシステムにあるかと思います。小排気量がゆえに多少ラフな操作をしてもピーキーさや扱いにくさがなく、しかもモーターのアシストによるトルクとAWDによる安定感をもたらします。
大排気量エンジンを搭載した今どきのスーパーカーには加速性能やサーキットでのラップタイムなどは到底及ばないでしょうが、システム合計出力で362馬力という出力は一般的な車から比べたらはるかに高性能で必要十分といえます。
また、小排気量のエンジンによる感性の物足りなさは、合成されたエンジン・排気サウンドの出力により緩和されており、スポーツモードに切り替えればぐっと鋭い加速、そして耳に心地良いサウンドが気分を高揚させてくれます。
「i8」は普段使いできるスーパーカー
自分は以前アストンマーティンのV8 Vantageを所有しており、とても気に入っていましたし、たくさん乗りたかったのですが、もし通勤などの日常用途で乗るとしたら?と考えるとやはり疲れるから「No」に近い気持ちです。
しかし、BMW i8は乗降の際に「よいしょ」と多少の儀式的なアクションが必要になるものの、ひとたび走行し始めてしまえば、非常に運転しやすい車だと感じました。また、燃費の良さというのも普段使いしたくなる大きな理由の一つです。
このような理由が、i8の大きな魅力だと個人的には感じました。見た目は完全にスーパーカーと呼べるものでありながら、運転しやすく経済性も高い。未来のスーパーカーの姿の一つかと思います。
ただ、今回の試乗により非常に困ったのは、そんな理由により本気でこの車が欲しくなってしまったこと・・・。果たしていつか手に入れることができるのか・・・。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。