今日は、2016年秋に発売された「アバルト 124スパイダー」を試乗させてもらってきました。実は、昨年の9月に富士スピードウェイで開催された「アバルトデイズ」に参加する機会を得た際にプロドライバー操縦のサーキットタクシーに同乗体験もさせていただいていたのですが、自身で運転するのは今回が初。同乗体験で好感触だった124スパイダー、はたして自分で運転した時のフィーリングはどうなのでしょうか。
ラテンの血を引く「マツダ ロードスター」の兄弟車
皆さんもご存知の事かとは思いますが、この「アバルト 124スパイダー」はマツダロードスターとシャシーなどの基本構造や各種パーツを共用する兄弟モデルです。実際に車内を見てみると、最近のマツダ車オーナーならすぐに分かる共通パーツが盛りだくさん。
パッと見てすぐに分かるのはマツダコネクトのナビ画面やセンターコンソールなどのスイッチ類、ステアリング、エアコン吹き出し口などなど。これらは完全に同じ部品を使っており、なんら変更は加えられていません。それに対し、はっきりと見た目で違うのがシート。
124スパイダーでは、アルカンターラ®シートまたはオプションのレザーシートが装着されるのですが、これがロードスターとは違ったスポーティーさでカッコいい!シートの座面高もロードスターと比べると低い気がします。なお、今回の試乗車には赤のレザーシートが装着されていました。
他にも各所の赤ステッチをはじめ、メーターパネルにも赤色が使われていたり、ステアリングの一部が赤色だったりで、イタリアンデザインって感じのインテリアは個人的にかなり好みでした。サソリマークのワンポイントもオシャレさんな感じです。
エンジン等のドライブフィールは?
簡単な説明を受け、早速公道試乗をさせていただきました。停止からの発進時に感じるトルク感はロードスターの1.5Lとそれほど変わらない感じですが、少し回転数が上がってくると、1.5Lのロードスターよりかなりパワフル。しかし、2.0LのロードスターRFと比べるとRFの方が重厚感やパワー感がありました。
スペックだけ見ると、アバルトの方が最高出力も最大トルクも上なのでちょっと不思議なのですが、1.4Lという小排気量ターボのフィーリングによるものでしょうか。パワーがあるのに軽やかに回る感じです。後は、RFの方が車両重量が30kg軽いというのもひょっとしたら僅かに影響があるのかもしれません。
ロードスターよりしっかりとした足周り
次に足周りですが、ロードスターのSグレードと比べるとかなりしっかりとしています。ただし、硬いという訳ではなく、ロールを抑えつつも付き上げなどのショックはしっかり押さえられている非常にバランスの良い仕上がりだと思いました。ブレンボの4ポッドキャリパーも見た目的、性能的にもグッドです。
先日試乗したロードスターのRSグレードでは、ちょっと硬すぎて一般的な方や日常の足には少々向かないセッティングだと思いましたが、124スパイダーはスポーティーながらも乗り心地があまり犠牲になっていません。タイヤも17インチに大径化されており、スポーツ志向になっているにもかかわらずです。
先に書いたアバルトデイ参加の際にも話が出たのですが、この足周りのセッティングはFCA側がかなりこだわったものらしく、今回の試乗でロードスターとしっかり差別化が図られていると感じました。同じビルシュタイン社製なのに、味付けでこんなにも違うものなのですね。
次のページでは、ステアリングやシフトのフィーリングについて書いてみたいと思います。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。