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【みっちー@ぶどう農家の激辛レビュー】マツダ アテンザセダン 25S(2018MCモデル)

「みっちー@ぶどう農家の激辛レビュー」。今回はマイナーチェンジを施されたアテンザセダン2018年モデル。

アテンザがビッグマイナーチェンジ

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

クルマに限らず、動くものに乗っているとき、加速度(=G)と思っているのは実は加加速度(= Jerk)である。例えば新幹線。駅から出発して時速300km/hに達しても強烈な加速は感じないし、身体を持っていかれることもない。在来線のほうが身体が安定しないくらいだ。例えばエレベーター。停止階の手間での減速感はときに気分が悪くなる。大した減速ではないはずなのに。

人間がGを感じるのは、加速、減速のときの変化量による。新幹線のように一定に加速していく場合、加加速度はほとんど変化しない。エレベーターの減速は変化量が大きい。加加速度が一定、または変化量が少ないとき、人間は気持ち良さや安心感を得られ、変化量が大きい、または乱高下するとき不快と感じる。

最近のマツダはこの加加速度:Jarkに注目し、セッティングを変えてきている。ビッグマイナーチェンジしたアテンザを試乗した。

ガソリンエンジンのアテンザセダン25Sを試乗

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

試乗車は気筒休止を搭載したガソリンエンジンの25S L-Package FF 6AT セダン。内装はオフホワイトのナッパレザーで、ボディカラーはソウルレッド・クリスタルMeという華やかな組み合わせ。マイナーチェンジ前と違って、ダッシュボードの腰下も白く、白いマテリアルに配されたステッチも光沢がある糸を使用しているので、余計に華やかな印象を受ける。

ワゴンも悪くないが、伸びやかさとエレガントさは、ホイールベースの長いセダンのほうが明らかに上。バンパーをはじめ、ライトやガーニッシュ、マフラーの出口まで変更したリアは、よりワイド感がある。

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駐車場の中で切り返した時点で、もう旧型と明らかに違う。CX-3、CX-5と同様にステアリングのフリクション感(引っ掛かる感じ)が減って、タイヤが動いている手ごたえが、切り始めから伝わってくる。

いつものように、ゆっくりと走り出す。早歩きぐらいの微低速だが、アクセルを戻すとそれに応じて速度が落ちる。トルコンを使わずかなり早目にロックアップしているということだ。クリープを使うより扱いやすい。国道に出て加速する。ここでもアクセル操作はしやすい。1km/hずつコントロールできる。

新しく導入された気筒休止システム

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

加速時の排気音も良い。特に3000rpm付近が太く抜けのよい音がして、気持ちがいい。回転フィールもスムーズで、軽やかだが、排気音のおかげか無機質な感じはしない。踏み込みたくなるエンジンだ。制限速度の50km/hでクルーズに入ると、瞬間燃費計がグッと上に振れる。気筒休止しているのだが、音や振動も全く変わらないので、切替りを体感するのは不可能。マツダにとっては新技術だが、しっかりと煮詰めている。

気筒休止は勘違いしている人が多いのだけれど、半分の2気筒で走るから燃費が良くなるわけでもない。バルブこそHLAを空打ちさせて停止させるが、カムシャフトもピストンも動いているので、機械損失は変わらない。4気筒で賄うトルクを2気筒で出すために、スロットルを大きく開くので、ポンピングロスが少なくなり、その分熱効率が上がることのほうが貢献度が高い。もちろん、燃費噴射量が減ることも理由だが。

インテリアも一新

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

フロアやドアパネルに使っている鉄板の厚みが増したからか、遮音がCX-8の知見を生かして徹底されたからか、静粛性も上がった。一新されたダッシュボードも、水平基調のインパネのもたらす横方向の広々感と、ドアにつながるパネルラインやエアコンの吹き出し口がもたらす囲まれ感が、いいバランスで、車体の見切りもわかりやすい。

総じて、ボディサイズが気にならないほど運転がしやすい。表示が多いだけに多少の慣れは必要かもしれないが、メーターの視認性も上々だ。数字は細いフォントを使用していて見やすい。ヘッドアップディスプレイがあるから、視線を移動させる必要はあまりないのだが、タコメーターは癖で見てしまう。

シートも一新された。骨格からウレタンまで全部変えて、骨盤が立った状態で座れる。ダラけた運転姿勢では良さは全くわからないだろうし、疲労もそれなりに増えるのは間違いないので、初心に戻って、正しいポジションに合わせることを勧める。エアベンチレーションも、特に暑い時期には快適だ。股間が気持ちいい。

人によってはおせっかい!?

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

さて、ここまでの印象は素晴らしく良かったのだが、昨今の安全思想と自動運転に向けた制御の中で、レーンキープアシストが気に入らない。カメラで捉えた白線で車線を認識して、その真ん中辺を走るようにステアリング操作をサポートするのだが、小刻みに曲がった(ほぼ直線)道だと手放しすれば勝手にステアリングが動くほどのお節介ぶり。

俺はこのラインを走りたいんじゃ〜‼︎(屮°□°)屮 という心の叫びは完全無視である。マツダコネクトから設定を変えられるようだが、走行中は危ないことはしないで、我慢しながら走る。

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さらにやかましいのが、制限速度を超えたとき(+10km/h)に鳴る警告音。安定第一なのはわかるが、始終叱られているみたいで、これも嫌。これも設定で音を消せる。スピードは出し過ぎ注意だが。俺には自動運転は合わないなぁとつくづく思う。

後席の乗り心地は?

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

ひとしきり走ってお店に戻り、今度はスタッフさんに運転してもらって、後席の乗り心地を確認する。居住性は旧型と変わらないが、後輪付近からのロードノイズは減った。遮音が徹底している。全席との会話明瞭性が高いのはCX-8以降のマツダ車共通の美点だ。面白いのが排気音。マフラーに近い後席にもかかわらず、音質も音量も前席とほとんど変わらない。消す音と聴かせる音を細かくチューニングしているのではないか。

もう当たり前になってしまって、最初の強烈なインパクトと感動は薄れたが、G-Vectoring Controlはやはり魔法の制限だ。アテンザもまた、前のシートと同じレールの上を走っている感じで、クルマの動きが読みやすく、それが故に無意識に構えが出来ているのだろう、振り回すような運転でも恐怖感がない。クルマ酔いは全くしたことがないほど三半規管が強力に出来ている俺でも、後部座席に乗るならGVC付きじゃないと嫌だなぁと思う。

進化したレーダークルーズコントロールとブレーキ

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

続いては全車速対応のレーダークルーズコントロールも試してもらう。黎明期のそれと違って、ペダルワークが見えない助手席に座っていると、ずいぶん上手い運転だなぁと思うレベルに進化している。車間距離も適切だし、加減速もスムーズ。

特に加加速度(やっと最初の文に戻った)の研究の成果なのか、流れるような一定した加速で、急激な速度変化も(先行しているクルマのドライバーがまともなら)なく、減速も停止寸前にブレーキをちょっと戻してカックンさせない芸の細かさ。基本自分で操作したい人でも、クルージングが楽になるし、これだけスムーズなら文句もあるまい。

ちなみに、ブレーキ自体も効きがリニアになって、特に戻し側のコントロールがしやすい。数年前まではマツダ車共通の不満点だったが、改善幅が大きく、ブレーキング時の姿勢は元々いいから、安心して運転できるものになった。効きが甘いという人がいるらしいが、間違いなく、ポジションが遠くてペダルを踏みきれていない。

マイナーチェンジなのに大きな違い

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

ということで、今回バージョンアップしたアテンザ、内容は普通ならフルモデルチェンジのときにするようなことを一気に投入してきた。旧型に不満はなくても、乗り比べたらすぐわかるぐらい洗練された。

ちょうどSwing Out Sisterの新譜をヘビロテしていることもあって、あゝこのクルマにはぴったりだわと思った。都会的に洗練されていて、なおかつ押し付けがましくなく、心地良く、気分が高揚してくるリズム感。オシャレなパートナーと一緒にいるような安心感と誇らしさ。

セダン離れと言われて久しいが、国内月販目標わずか500台という控えめな台数しか想定していないのに、かなりのコストをかけて莫迦じゃないかと思うが、パーソナルセダンはかくあるべしという気概がこもったいいクルマに仕上がっている。クリーンディーゼルばかりが注目されてきたマツダだが、アテンザに関してはエンジンは主役ではない。使い方に合わせて選べばよい。主役はあくまでドライビング「感」の良さである。

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加加速度というのは、加減速という前後の変化だけに影響するのではなく、ヨー(横の変化)、ロール(縦の変化)も含めた全方向に作用する。アテンザも含め、加加速度を意識するセッティングになってから、よりクルマの動きが読みやすく、読めるから安心して運転できる幅が広がった。

段差を乗り上げて降りるときの変化量にも加加速度は影響する。ここのチューニングがうまくハマったから乗り心地もフラット感が強くなった。フラットライドというのは、ロールやピッチやバウンシングの絶対量が小さければ実現できる訳ではない。サスを柔らかくしただけでもダメで、逆にふわふわ落ち着かない乗り心地になる場合が多い。

要は、人間が心地良いと感じる変化率に合わせること、変化の開始と収斂のタイミングを人間のリズムに合わせて「遅らせる」ことが肝要なのだ。

「感」が優劣のバロメーター

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

マツダ 「アテンザセダン 25S」 2018MCモデル

ダイアゴナル・ロール(斜め前方方向へのロール)からスタートしたマツダの感性チューニングは、ここへ来て大幅にレベルアップした。次期アクセラから始まる、斜め方向の車体剛性を加味した新しいアーキテクチャがここに加われば、少なくともクルマとの(人馬)一体感において敵なしになるのではないかと思う。

もはや現代のクルマにおいて、ボディ剛性は(一部のクルマを除けば)数字遊びの域を出なくなった。局部剛性が重要になってきているが、それとて重量が増えてもいいと割り切らなければ(軽量化も重要な昨今、そんなメーカーは多くない)、大きな差は付かない筈だ。これからは「感」が優劣のバロメーターになるだろう。そんな想いを強くした。

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