アメリカ発祥の自動車メーカーであり、かつてはゼネラルモーターズ、フォードモーターと共にアメリカ自動車メーカーのビッグ3とも呼ばれたクライスラー。昨年、同じくビッグ3に数えられていたフォードが日本市場から完全撤退をしたのも記憶に新しいところですが、今度はクライスラーも日本国内市場からの撤退を検討しているようです。
数々のメーカー・ブランドとの合併等を繰り返し、2009年には経営破たん、現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の完全子会社となって現在に至るクライスラー。国内販売台数は、1996年にピークの1万7404台を販売したものの、2016年には約60分の1の283台に落ち込み最早の日本国内ではほぼ存在意義を失っていると言えるのではないでしょうか。現在、クライスラーとして販売継続りている車も「300」シリーズのみとなっています。
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そんな現状から、2018年にも日本国内での販売を終える方向で検討しているようです。トランプ大統領は「アメ車が売れないのは日本のせいだ」などと発言し、物議も醸していましたが、いよいよ日本市場におけるアメリカ車の存在は風前の灯となってしまいそうです。
今回の撤退は純粋なクライスラーブランドのみで、クライスラーの1ブランドであるJEEPは残ると思われますが、他にそれなりに日本でメジャーと言えば、後はシボレー位でしょうか。燃費や維持費ばかりに目がいく日本市場では、アメ車の生き残りは厳しいかもしれませんね。それではここで、過去発売されたクライスラーの主要モデルを振り返ってみましょう。
クライスラー300C、300(2005年~)
近年の日本で比較的なじみのある車種といえば、この「300」シリーズではないでしょうか。現在は、「300」と「300S」というモデルとして販売されています。イカつい風貌から、ちょっとガラの悪い若者などにVIP系として支持されている車というイメージですね。
イプシロン(2012年~2014年)
900ccのエンジンを搭載し、ヨーロピアンな雰囲気を漂わせるコンパクトカーで、ランチア イプシロンの日本市場向け商品となります。デザインなどもそれほど悪くないと思いますが、中途半端な排気量などもあってか日本市場では振るわず、短命なモデルとなってしまいました。販売終了後は、フィアットブランドの500Xとクライスラーのブランドの1つであるジープのレネゲードが後継車にあたるようです。
PTクルーザー(2000年~2010年)
クライスラーのモデルとしては最多販売の部類と思われる「PTクルーザー」。ネオンをベースに開発されたものの、こちらは古き良きアメリカンといった風貌でちょっとクラシカルなデザインでした。日本車には無いデザインで、一時期はかなり人気があったような記憶があります。ソフトトップのカブリオレモデルもありました。
クロスファイア(2003年~2008年)
マニアックでクライスラーとしては珍しいスポーツカータイプ。日本でこの車の事を知っている方はそう多くないのではないでしょうか。基本的に中身はメルセデス・ベンツの初代SLK320となっており、見た目のイカつさとは裏腹にダンナ仕様な乗り味でした。
私自身これにちょいちょい乗っていた時期があったのですが、各所のつくりはアメ車らしく雑そのもの(笑)。画像のクーペモデルとオープンタイプのロードスターがありました。
今後のアメ車はどうなってしまうのか
以上、主要なクライスラーのモデルを紹介させていただきましたが、他にも「グランドボイジャー」「ボイジャー」「ネオン」などの車種がいくつかあったクライスラーですが、現在の市場にマッチするようなモデルをほとんど持っていないのが致命的といえるでしょう。
世間では、燃費重視の車やSUV全盛ですので、日本市場で多少なりとも販売が見込めるのはJEEPブランドの車くらいではないでしょうか。私自身は「シボレーコルベット」などのいわゆるアメリカンマッスルなスポーツカーも好きですが、やはり購入となると今時6000ccもあるような車は少々ハードルが高すぎると言わざるを得ません。
そういったアメ車たちが次々と日本市場から姿を消していくのは寂しい気もしますが、これも時代の流れとして仕方ないのかもしれません。かつては隆盛を誇った恐竜が絶滅してしまったように・・・。
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。