ほとんどの方が車を運転、または助手席に乗った場合にはシートベルトを着用されているかと思いますが、後席に乗った場合や同乗者が後席にいた場合、後席の方はシートベルトを装着しているでしょうか?
JAFの調査によると、運転者や助手席搭乗者は約95%以上がシートベルトを着用しているにもかかわらず、後席では約36%、3人に1人しかシートベルトをしていないという結果が出たのです。今回は着用率が低い後席シートベルトの重要性を見てみたいと思います。
後席シートベルトはなぜ着用率が低い?
前席に比べると着用率が極端に低い後席シートベルト。そもそもなぜ着用しない人がこうも多いのでしょうか。まず大きな理由の1つとして考えられるのが、後席シートベルト非着用に対して罰則が軽微である事が挙げられると思います。
平成20年より全席ともシートベルトの着用が道交法により義務化されていますが、後席シートベルトに関しては高速道路での非着用に対して1点の減点があるものの、一般道においては非着用時は口頭注意のみとなっており、減点・反則金の適用がありません。
後席シートベルト義務化前の努力義務期間やこういった罰則の現状により、未だに後席シートベルトは高速のみですればよいという間違った認識をしている方が多いことが理由の1つではないでしょうか。
お金よりはるかに大事な安全の問題
上記のような理由もあり、普及が進まない後席シートベルトの着用。しかし、後席シートベルトの非着用は前席のシートベルト非着用以上の危険性がある事をぜひ広く理解してほしいと思います。
まず、前席でシートベルト非着用の場合、運転者および助手席の乗員自身の安全性に一番問題があるわけですが、後席シートベルトの場合には後席乗員自身の安全性に問題があるだけではなく、前席の乗員にも致命傷を与える危険性があるのです。
それでは、JAFが公開している「後席シートベルト非着用時の危険性」の動画をご覧ください。
ダミー人形による実験とはいえ、かなり衝撃的な映像ではないでしょうか。時速55kmという速度は、平均的な一般道路での法定速度以上ではあるものの、実際には日常的に出している速度かと思います。そんな時に正面衝突やそれに近いような状況の事故が起きた場合、乗員はこの動画のような危険な状況に晒されるわけです。
ちなみに時速約40kmの速度で正面衝突した場合、乗員の前方向への衝撃は重量の約30倍となると言われています。約50kgの体重の人であれば車の重量と同じ約1.5tの重量物となって前席の人を押し潰してしまう事になります。
また、今回の実験は大人サイズのダミーでしたが、これが子供サイズとなると、前席シートに引っかからずにそのままヘッドレスト上部をすり抜け、フロントガラスを突き破って車外放出の危険性もより高くなります。
後席シートベルトの重要性と装着に理解と啓蒙を
もし、この記事を読んでいる方で後席シートベルトを自身、同乗者関わらずにしていないという方がいらしたら、ぜひ今後は後席シートベルトの着用を実施していただきたいと思います。あわせて、家族や身の回りにも後席シートベルト非装着の方がいたら、いかに危険かという事を教えてあげて欲しいと思います。
もし、それでも理解を示さない方には、時速約5km~10kmからのフルブレーキを後席シートベルト非装着の状態でお見舞いしてあげるのもいいかもしれません。ただし、公道では無い安全な所で。また、その結果について当サイトでは責任を持てませんので、あくまでも自己責任でお願いします。
その速度でも危険度が高い事が分かれば、よほどのバカでない限り、日常における速度域でのシートベルトの重要性が理解できると思います。全席シートベルト着用で、自身の安全はもとより家族や友人・知人の安全も守りましょう!
車の中でもスーパーカーを筆頭にスポーツ系や輸入車が特に大好きで、欲しいクルマは数え切れず。残りの人生であとどれくらいの数の車に乗れるだろうかと考えると、色々と悩みが尽きません・・・。