障害物も何もない見通しの良い交差点で起こる事故、その原因の一つと言われる『コリジョンコース現象』について今回はご紹介したいと思います。
見通しの良い交差点でなぜ事故が起こる?
いきなりではあるが『コリジョンコース現象』というのを皆さんはご存じだろうか。たとえば直角に交わる見通しのよい交差点で同じ速度で同時に接近する2台のクルマがあったとき、相手のクルマは常に斜め45度で進み続けることになる。
するとドライバーは近づいてくるクルマを止まっていると認識し、注意を払わなくなってしまう。相手が止まっているのだからと、双方が思い込んで交差点に進入すると当然衝突事故になるわけだ。
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これには人間の視界と脳の機能が影響していて、視界の真ん中は色やかたちをはっきり認識できるのに対し、周辺の視界は物の色や動きを認識しづらいという特性による。
なんでこんな場所でって思うような、田舎の田園地帯などでよくある見通しの良い交差点事故は、このコリジョンコース現象が原因であることが多い。だから多くの交差点では優先道路を決めて、直交する側には一時停止の標識または停止線を設置している。減速し停止することで、速度差を作っているわけだ。
歩行者も要注意!
これは何もクルマ同士だけに言えるわけではなく、人間同士、クルマ対人間の場合でも当てはまる。
ちょうど去年の今頃、帰り道に横断歩道を渡ろうとしてクルマに跳ねられそうになったことがある。状況は夜。信号が青になったので横断歩道を渡り始めたところ、右折する軽の箱バンに気がついた。
止まってくれるかな?とドライバー(女性)を見ると、対向してくるクルマの方に一瞬顔を向けてこっちを見ていない。ちなみにクルマの速度は歩いて渡る俺と同じくらい。「ああ、これはコリジョンコースだわ」と思って、いつでも避けられるように身構えながらそのままの速度で渡り続けたところ、箱バンの中から大きな悲鳴が。
どうやら同乗していた女子高生が気付いたらしい。箱バン急停止。運転していたおばちゃんは顔面蒼白。ごめんね、当たり屋じゃないし怪我したくもないけどワザとです。
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ドライバーとしての教訓。歩行者信号と分離されていない横断歩道は、歩行者に顔を向けて中心視界で見る。いつでも止まれる速度で止まるつもりで曲がるか、しっかり停まって歩行者を先に渡らせる。(こっちが正解)
そして歩行者としての教訓。このケース、歩きスマホしていたら事故になっていたかも。歩きスマホはやめましょう。それから、信号がなければ3分の1のクルマは止まらないということも覚えておいたほうがいい。
信号があっても停まるとは限らない。クルマのほうが停まるだろうというのは、賭けでしかない。事故が起きた時、法的には車が悪くなるとしても万が一自分が死んでしまったら元も子もないのだから、知識を身に付けることと自己防衛はしっかりと。
車とぶどうをこよなく愛する男。その異常とも言えるほどの愛の深さ故、その愛がしばしば毒に変わることも。愛車はNAロードスター。