ノートとしての欠点も
気になった点は、ノートの欠点がそのまま残っていること。ペダル配置はマツダの真似をしたくてもできないので仕方ないが、やはり下半身はひねった姿勢になるし、シート背もたれが特に柔らかすぎ。背中がすぐ痛くなった。
リアシートはサイズ(特に背もたれの高さ)、取り付け剛性共に不足。足元が広くても長時間耐えられる出来ではない。設計上のトルソ角(背もたれの角度)も寝かせ気味だし、座面も平板なので余計に身体に負担がかかりそう。e-POWERや価格がプレミアムなだけにそれに見合ったものにして欲しい。まさか大幅値引き前提でコストダウンしてるわけじゃあるまいな。エンジン再始動のマナーはいいが、ドライブトレイン全体を揺するようで、稀にショックを伴うことがあった。これは3気筒のせいか?
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遮音は優れているが振動と建てつけ感の悪さは残っている。始終リアのフロアからビビリ音やドラミングノイズが入ってきて、非常に安っぽい。以前試乗したガソリンエンジン車はそれほど気にならなかったので、フロントシート下にバッテリーを収めた関係で、フロアの振動係数や発生ポイントが変わってしまったのかも。ここは煮詰め不足か、コストがかけられなかったかだ。
完全に好みの問題だが、下側が平らなD型のステアリングはやはり使いづらい。ハンドルの断面形状も良くない。前はあったmomo製ステアリングはオプションカタログから落ちたらしい。それでもアクアのようにバルクヘッドの低い位置からステアリングシャフトが生えていて下半身に干渉しまくるから、楕円のステアリングにしてさらに偏心させて誤魔化す、なんてふざけた真似をしていないだけ遥かに真面目に作ってる。
かつてはハンドリングにこだわりがあった日産だが、もうそんな面影はない。フロントの荷重が多いせいか、安定しているが軽快感はない。デミオやスイフトのような走る愉しさや爽快感は感じられず、ここも今までのノートから停滞気味。
リーフよりオススメ
ともあれ、技術的にとても面白いクルマであるのは確か。電気自動車で遠出は不安と言う方にはリーフよりオススメ。
例のDCTが影響して発進時の注意なんてことがカタログに載り、実際気を遣うフィット・ハイブリッドより普通に発進できるし、「電気自動車」なんだよ〜という優越感も味わえる。少なくともアクアや、にわか仕込みのヴィッツ・ハイブリッドあたりじゃ敵わない。e-Powerは今後、来年フルモデルチェンジのジュークや、セレナにも採用の予定だという。
車とぶどうをこよなく愛する男。その異常とも言えるほどの愛の深さ故、その愛がしばしば毒に変わることも。愛車はNAロードスター。